CST (Cadaver Surgical Training)

    現在、医学部でお預かりするご献体は、主に「医学生の解剖学教育」のために使わせていただいております。医学生にとって自分で人体の構造を観察し、理解することは、医師となる基本的条件であり、将来医師となるための倫理観を養う上において非常に重要な機会となっております。
 また、医師にとっても、解剖学は治療を行っていく上で最重要の知識であることは言うにおよびません。特に近年では、医療技術の高度化や内視鏡などの医療機器の急速な進歩に伴い、医師はさらに高度な手術手技・検査手技が要求され、より安全でリスクの少ない治療法の開発が求められる時代となってまいりました。そのため、大学は医学生の教育のみならず現役の医師に対しても広く教育・研究の場を提供する使命を負うようになってきております。
 外科手術に対する医療安全の見地から、遺体を用いた教育のための解剖が海外では盛んに行われています。日本の医師は、つい最近まで高度な手術手技の研修のため海外にいく必要がありました。
 しかし、最近になって、厚生労働省による後押しにより、現役医師に対する教育・研究の場を提供する体制が平成29年には日本全国の14の大学で整いつつあります。(その研修のことを、Cadaver surgical training(CST)と呼びます。)
 こうした背景から、解剖で得られた成果を医学および社会に還元し、医学・医療の発展に大きく寄与するために、高度化した手術手技・検査手技の教育や新しい術式の開発につながる研究などの、新しい教育・研究プログラムにも力を注いでいこうという動きが本学においてもおこり、このたび、Cadaver surgical training(CST)センターが島根大学附属病院に設置される運びとなりました。 

 CST研修は、医学部内に専門委員会を設置し、倫理委員会での承認のもと施行されます。特に、以下に示します、現行法下でCST研修を可能とすると現状考えられている「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン」を遵守して施行されます。
 我々の講座は、医学部の一員として、附属病院、臨床科との密接な連携のもと、CST研修の立ち上げ、運営に貢献して参ります。

「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン」について